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建築屋 あずまの miyabi日記

4つのSで「すまい」を考える 香住、但馬、山陰の設計事務所 建築設計室 雅-miyabi-のブログ

木のちから その2

木のちから その2

前回は『木』の長所を取り上げました。
今回は、短所を取り上げたいと思います。

木はくるう
真っ先に思いつくのが(業界人だからかもしれません)、『くるい』ですね。
一般的に木材は、芯があるとあばれやすく、芯がないとおとなしいと言われています。
この芯がある角材を「芯持ち角」といい、芯を含まないものを「芯去り角」といいます。
芯持ち角は腐りにくく、土台などに適しています。
芯去り角は割れにくく、節も少ないので化粧柱などに使われます。

割れやくるいは木の収縮によるものですが、収縮は一定方向ではないため、割れへとつながります。
割れは強度には影響が殆ど無いんですが、
表面に割れが生じないようにあらかじめ切り込みを入れる(背割れと言う)方法もあります。
あまり乾いていない材を使用して、現在の気密化された(ボード工法などは自然と高気密になる)住宅を
短期間で立ててしまうと、後々壁のひび割れにつながる。
また、構造の要である金物(金物が法的に必要)が緩み、強度的にも問題が起こりうる。

木の強度はさまざま
木材といっても、樹種によって性質は異なります。同じ樹種ですら強度も違うし、同じ木からとれた材料でも
場所によって強度は違います。
コレを平均化してしまおうとしたのが、集成材で最近では、柱や梁などの構造材に使用されることが多い。
ただ、やはり無垢材が良いと思うので、強度等級区分(日本農林規格)により強度を確認の上、
強度なりに使用するということを心がけたいですね。
杉であっても柱や梁にも使えます。荷重を十分に検討し、サイズを決定する必要がありますが。

一般に芯の部分が一番弱く、外側に行くに従って強度は上がっていきます。
それこそ芯去り材が良いことになりますが、4寸角の芯去り材を木取りしようとすると末口で
400ミリ以上の材木が必要になります。こんな材料は樹齢数十年ものからは取ることができません。

木は燃える
木材は燃えてしまいます。
木は水分を含んでいる状態では燃えません。水分が蒸発して温度が上がり250度になるとガスが発生します。
ここに口火を近づけると火が付きます。この時はガスが燃えている状態です。
更に温度が上がって、450度になると自然発火して、500度で灰になります。
しかし、酸素が供給される表面から燃えていくので、急激に強度が落ちることもありません。

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自然素材で「すまい」を考える 建築設計室 雅-miyabi-

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木のちから

木のちから

当事務所では、無垢材を取り入れるように考え、おすすめしています。
日本人は木が好き(新建材にわざわざ木目を印刷するのがその理由)なので当然といえば当然ですが、
無垢材を勧めるにはいくつかに理由があります。

木の調湿性能
国内の建築材料として使われる木材は、だいたい15%程度の含水率になっていて、その前後をいったりきたりしています。雨の日は少し増えて、乾いた日は少し減る。コレが木の『伸び縮み』の原因なので、短所とも言えますが・・・
室内で、木を調湿機能を防げない状態で使用することで、人が生活する上で快適な方向に調湿してくれます。

人にやさしい室内環境
室内に木材を使用した時に木目が精神安定効果に役立つと報告されています。
節や木目は1/Fに揺らいでいて、人間の快感覚を刺激するようです。
視界の中で木部の割合が40%~45%くらいが効果が高いようです。

木の暖かさ
木の熱伝導率(熱の伝わりやすさを示す単位)は、鉄やコンクリートに比べてかなり低いといえます。
木材に存在する隙間が空気を含んでいて、その空気が熱伝導を妨げるためです。
それがどうしたのか?となりますよね。
人は熱を奪われるとストレスが生じ、落ち着きをなくすことが認められています。
また、床の材料によって膝などの温度がどのくらい下がってくるかを測定した結果がありますが、
それによると、木の床では少し下がったあと徐々に上がります。
コンクリートの床では熱がどんどん奪われて、足の温度がさがります。
人にそのまま当てはまりませんが、マウスの実験で、木箱、金属箱、コンクリート箱で子供を産ませ、
その成長や行動を調べるというものがあります。
外気温が25~26度の時、木はこのマウスの生存率は90%でした。
これは金属箱(50%)、コンクリート箱(5%)と大きな差があります。
外気温が30度の時は生存率に差はありませんが、内蔵の発達に差が出ています。
この結果から、心地良い空間を作るには材料も重要だということが言えます。
熱伝導率だけならカーペットでも良いですが、カーペットはダニの温床になりがちな危険性があります。
実際に、カーペットを木の床に変えて、その前と後とでダニの数が約1/5になったという資料もあります。

傷が許容できる
特に床材に言えることですが、合板の床材は凹みやめくれなどは=傷となり、よく目立ちます。
補修もままなりません。
しかし、無垢材ならヘコミ等は水分を含ませることでほぼ治ります。
めくれなどは、無垢材なので下地の合板が見えて目立つこともありません。

長所ばかりではなく、短所も知ることでうまく付き合っていくことができるので、
長所短所含めて何度かに分けてまとめていきたいと思います。

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ホワイトウッドの家は3年で朽ちる?

「ホワイトウッドの家は3年で朽ちる?」

非常に衝撃的なタイトルを付けましたが、こんなことはありません。
ただ、それに近いことが実際に起きるかもしれません・・・

棟梁をしている兄からこんな質問がありました。

「ホワイトウッドの性質が知りたいんだけど・・・」

話を聞くと、大手ハウスメーカーの建てているものを見かけて、見てみると
柱にホワイトウッドの集成材を使用しているように見えたそうです。
但馬地方で工務店を営む実家で棟梁をしている兄にすると、
「ホワイトウッドなんて構造材に使っていいのか?」
という疑問を持ったようです。

私も、木造の建物で構造材にホワイトウッドを使用するなんて思いもつかなかったので、
「調べてみるわ」といったん電話を切りました。

私の予備知識では、ホワイトウッドは

「狂いの少ない性質から造作材に多く使用されているもの。
または、加工性の良さから家具などにも使用されている材料。」

というものでした。
改めて調べてみると、最近は非常に多くのハウスメーカーがこのホワイトウッドの集成材を
構造材として使用しているようです。
強度は、杉などとほぼ同等となっています。
特性は、ほぼ思っていたとおりでした。ただ、驚いたのは、その耐久性の無さ。
杉などと比べても比較になりません。
写真付きの実験結果を示すものがあり、3年屋外に放置したときの木材(桧・杉・米栂・ホワイトウッド)の腐れ具合の比較をしてるんですが、桧、杉は白太部分に多少の傷みが見て取れる程度、
米栂は下部に腐れが見て取れる。
ホワイトウッドはというと、ほぼ全方向から腐り、ぼろぼろの状態!!

また、耐蟻性においても非常に低い数値を示しています。
この耐蟻性の実験データで、こんなものがありました。
「白アリの巣に杉とホワイトウッドを一ヶ月おいてどの程度食われるか」という実験において、
質量減少率で比較したところ、杉は1.2%、ホワイトウッドはなんと40.1%!だったと・・・
その差およそ40倍!!

このように、
「強度はある程度あるが、耐久性と耐蟻性において非常に低い値を示すもの」
という知識が加わりました。

断っておきますが、この結果から
「ホワイトウッドの家は3年で朽ちる」につながるわけではありません。
いくら腐れやすいホワイトウッドを使用したからと行って、防水処理や防湿処理、防蟻処理がなされていますから、3年で腐っているということもないでしょう。

しかし、日本の住宅の平均寿命は約30年。先進国に比べて約1/3と非常に短いのが現状です。
これは日本の高温多湿の気象条件が影響しています。
昔からこの気象条件下で住宅を建ててきた我が国の棟梁達。
当然腐りにくい材料を「適材適所」に使用してきました。
その腐りにくい材料を使用してきた平均寿命の数値がこれですから、腐りやすいホワイトウッドの家はどうなるんでしょうか?
想像するだけで怖くなります。

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素材no.3 ヒバ

特有の香りと、黄色みが買ったやさしい色目が特徴のヒバ。
しかし、最大の特徴は強い耐蝕性。
「ヒバ普請の家には蚊が3年は寄りつかない」と言われていたようで、虫に対する特筆すべき強さがあります。
また、白アリに対する強さは他の樹種には見られないほどの強さがあります。
これは、素材no.2 桧でも触れた「ヒノキチオール」が特に多く含まれているからです。

腐りにくく、耐水性があり、湿気にも強く、強度もヒノキと同程度(建築基準法に基づく告示 平成12年5月31日建設省告示第1452号)と認められています。

これらの特徴から、土台や柱、軒廻り、浴室、デッキ等に用いられます。
また、ヒノキ同様 ヒバ風呂なる物もあります。

ヒバの浴槽に、ヒバの壁に囲まれた浴室から夜空を見上げながらゆっくりとしたい!!
そんな風に思う今日この頃です。

ヒバ
針葉樹 ヒノキ科
北海道南部から四国、九州にかけて広く分布している。
青森ヒバが有名。
ヒノキアスナロ、アテ、アスナロの総称で、葉の形は桧に似ている。
米ヒバがあるが、種類がちがう。

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素材no.2 桧

言わずとしれた、最良の国産材 桧。
桧は特有の香りを持ち、耐久性に富んでいます。

名前の由来は「火の木」。火起こしに使うことからその名前が付いたようです。
火を起こせるぐらいに内部までよく乾燥しているとも言えそうです。

確かに、桧は狂いが生じにくい特性を持っています。それも古くから建築材料として使用されてきた理由なのでしょう。

桧は杉に比べて高価なイメージ。それは、針葉樹の中でも生長が遅いため伐採期も遅くなり、そのためどうしても割高になるようです。

桧の良さは狂いの少なさだけではなく、その控えめな表情です。
芯材と辺材の差があまりなく、生長が遅いことからくる目の緻密さ。
緻密故に磨くと美しい艶が出ます。

また、前にも触れたようにその特有の香り。これはヒノキチオールにも由来します。
これは精油成分であり、抗菌作用が認められています。
この抗菌作用も桧の特徴と言っていいでしょう。

ですから、土台に多く使われたり、「ヒノキ風呂」なる風情のある代物が出来るのです。
設計していると桧風呂などもお目にかかりますが、自分も実際につかってみたいと思う今日この頃です。

ヒノキ
針葉樹 ヒノキ科
本州から、四国、九州、屋久島まで分布している。
天然林及び造林産地が多くある。
常緑の高木で30~40mの高さになる。

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